香川県高松市の司法書士 川井事務所です。
株式会社の特徴のひとつとして、所有と経営の分離があげられます。
つまり、会社の所有者である株主が会社の経営を経営者に任せる形態となっています。
もちろん株主が自ら経営してもかまいません。
株式会社の経営者とは、具体的にいうと取締役のことを指しています。
株主が会社の経営を取締役に「任せる」形となるため、取締役には任期というものがあります。
今回は、スタートアップの役員の任期や定時株主総会などについて取り上げます。
役員の任期とは?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
友人Aと株式会社をつくります。
株式上場を目指しています。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
どんな事業をするつもりですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
やはりロボットをつくりたいです。
モビルなスーツをつくります。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
連邦の白いやつですね。
あるいは赤い彗星。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
持株比率は私が7割持ちますし、発行する株式も十分な数を発行しますし、創業株主間契約も結ぶ予定です。
この記事を読んで学習してきました。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/07/創業時の失敗事例4選-300x169.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/07/創業時の失敗事例4選-300x169.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
他に何か気をつけることはありますか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
役員の任期ですね。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
役員の任期。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
はい。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
役員って取締役のことですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
株式会社の役員とは、取締役と監査役のことを指していると思っておいてもらえればいいと思います。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
取締役と監査役。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
取締役は会社の経営をする人のことです。
監査役は取締役の経営を監督するという役割があります。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
任期ってなんですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
株式会社の特徴のひとつとして、所有と経営の分離があげられます。
法律のしくみ上は、会社の所有者である株主が会社の経営を経営者である取締役に「任せる」形となっています。
もちろん株主が自ら経営してもかまいません。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
取締役は株主から経営を任されている。
任期はその経営を任される期間というわけですか。
国民に政治を任されている国会議員に任期があるのと同じようなものですね。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
そのとおりです。
任期という期間を区切って、株主が取締役の経営の成績をチェックしていきます。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
経営の成績がチェックされる。
定時株主総会とは?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
経営の成績はどうやってチェックされるんですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
定時株主総会です。
定時株主総会とは、毎事業年度の終了後、一定期間内に開催しなければならない株主総会です。
一定期間内とは、通常2か月以内です。
3か月以内に延長することもできます。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
つまり、決算が終わってその事業年度の経営の成績がわかるので、取締役は株主に成績を報告しないといけないということですね?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
そうです。
取締役から株主に対して事業の報告や決算書が提出されることになります。
会社の決算は株主が承認することで、その事業年度の決算が確定することになります。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
そうだったんだ。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
決算が確定してはじめて税務申告できることになりますので、税務申告書提出日は、定時株主総会の開催日よりも後になります。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
税務申告の期限は決算から2か月以内だから定時株主総会も通常2か月以内に開催されるというわけですね。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
はい。
それで、役員の任期の話に戻りますが、株式会社の役員の任期が満了する時点は、定時株主総会が終結するときと定められています。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
そうなんですね。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
定時株主総会で株主は経営の成績をみて、取締役に続けてもらうか任期満了時点である定時株主総会終了時で辞めてもらうか判断するというわけです。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
わかってきました。
スタートアップの取締役の任期
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
役員の任期は何年ですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
原則は、取締役が2年で監査役が4年です。
つまり取締役であれば、選ばれて2年後の定時株主総会が終結するときまで、ということですね。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
原則ということは例外があるのですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
株式の譲渡制限がついている非公開会社であれば、役員の任期は10年まで伸ばすことができます。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
そうなんですか。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
任期が2年だと、たとえ同一人物が再任され続けるとしても、任期ごとに役員の登記をしなければならず、コストがかかります。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
任期を10年にしておくと10年ごとに登記すればよくなるってことですね。コストや手間が削減できていいと思いますが。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
自分1人が株主で、かつ取締役という1人だけの会社であればそれでかまわないと思います。
しかし、スタートアップが取締役数名で事業をはじめる場合は、任期10年は避けたほうがいいでしょう。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
なぜですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
意気投合していっしょに事業をはじめたものの、メンバーが思ったよりもパフォーマンスを発揮してくれないな、とか思い始めるというのはよくある話です。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
「メンバーが思ったよりもパフォーマンスを発揮してくれない」
一生言われたくない言葉です。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
問題は、それでいっしょにやっていくの無理だな、という段階までいったときに、自分から辞めてくれればいいですけど、辞めてくれないときどうするか、です。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
ドラマで株主が取締役を解任するシーンをたまにみますよ。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
実は解任はそう簡単にできることではないんです。
解任について「正当な理由」がなければ、任期満了前に解任された取締役は、会社に対して解任によって生じた損害の賠償を請求することができます。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
損害賠償ってどのくらいになるんですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
損害賠償の範囲は、残りの任期分の報酬額が1つの基準になると考えられています。
たとえば、任期を10年に定めていたところ、2年の時点で解任した場合、賠償額は残りの8年分の役員報酬額になるかもしれません(※)。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
解任について「正当な理由」とは具体的にどういう場合ですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
経営能力が不足しているとか、経営方針が合わないぐらいでは正当な理由とはいえないとされています。
正当な理由とは、たとえば、取締役の職務遂行上の法令・定款違反行為、心身の故障などがあげられます。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
よほどのことがないと解任は難しいということですね。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
はい。
それに解任した場合は、会社の登記簿の解任された取締役の欄にはっきりと「解任」の文字が刻まれることになりますので、解任の事実が公のものとなります。
これは会社の社会的な信用を大きく損なうおそれのある重大な問題です。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
では、任期を10年にしておいて、自分と対立した取締役が現れたら、任期を短縮して、その取締役を再任しないというのはどうでしょう?
登記簿に解任とは表示されないんじゃないですか?
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
それだと確かに登記簿には解任とは表示されません。
しかし、任期短縮の定款変更をして、取締役を再任しないことが、事実上の解任にあたるとされた裁判例があります(東京地判平成27年6月29日)。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
やはりだめか。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
その他の問題点として、解任された取締役の今後の就職などにも悪影響を与える可能性があります。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
そうかもしれない。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
取締役の任期は会社法の原則どおり2年としておくか、あるいは短くして1年でもいいかもしれません。
短い期間で取締役の成績をチェックしていき、成績が思わしくなければ、任期満了時に「再任しない」ことで、退任してもらうことができます。
そうすれば損害賠償リスクも抑えられますし、対外的にも任期満了で退任してもらったという説明をすることができます。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/白熊アイコン3-150x150.png)
最悪の場合に備えて、コストはかかっても任期は短くしておいたほうがいいのかもしれない。
事業をはじめるっていろいろ大変ですね。
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2022/01/メガネをかけた男性のアイコン素材-150x150.png)
うまくいくといいと思う。
でもできるだけ注意深くなった方がいい。
参考書籍
『実務に活かす 判例登記法』加藤新太郎・山野目章夫・鈴木龍介(編集)|きんざい
『ベンチャー企業の法務AtoZ』後藤勝也・林賢治・雨宮美季・増渕勇一郎・池田宣大・長尾卓(編集)|中央経済社
『株式会社法〔第8版〕』江頭憲治郎(著)|有斐閣
当事務所のご案内
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2021/07/kawai_logo_big.png)
![](https://llliii.jp/wp-content/uploads/2021/07/kawai_logo_big.png)
— どうぞお気軽にご相談ください。—