簡単解説！株式会社の定款の作成・認証・変更

どんな事業をするつもりですか？

宇宙なう。

定款の作成は、会社設立の第一歩ですね。

定款とは、会社の組織・活動に関する根本規則のことをいいます。
発起人が定款を作成します。
発起人というのは、会社設立後の株主のことです。
会社設立前は株主が存在しないため、発起人と呼ばれます。

では、定款にどんなことが書かれてあるか具体的にみていきましょう。

まずは「総則」が書かれてあります。

会社名や事業の目的、本店の所在地、公告方法など会社の基本情報を記載します。

公告とは、会社の決算内容や法律で決められた特定のことがらを広く一般に知らせることをいいます。
次の3つの方法に限られます。

官報っていう国が発行している機関誌があるんです。
新聞っぽい雰囲気の。
インターネット版もあります。

国家資格の試験に合格した場合も官報に名前が載りますよ。

公告方法は、一般的には官報を選ぶことが多いです。

「総則」の次は「株式」に関するルールが書かれてあることが多いです。

発行可能株式総数や株式の譲渡制限、株主名簿記載事項の記載の請求方法など定めます。
「発行可能株式総数」と「株式の譲渡制限」は超重要です。

発行可能株式総数は、会社が発行できる株式の上限です。
会社の規模をコントロールするためのものです。

株式の譲渡制限は、株式の譲渡による取得を制限することで、会社の株式がのぞまない人の手に渡ることを防ぐためのものです。

「株式」の次は「株主総会」のルールがきます。

株主総会の招集方法、議長、決議の方法などのルールを決めておきます。

「株主総会」の次は「役員」のルールがきます。
役員とは、取締役や代表取締役、監査役のことをいいます。

取締役や監査役の人数、選任方法、任期、代表取締役の選定方法、報酬などのルールを決めておきます。

「役員」の次は「計算」のルールについて定めることが多いです。
決算期をいつにするか、剰余金の配当をどうするかなど決めておきます。

会社は決算期を自由に選ぶことができます。
何月でもいいですが、繁忙期は避けたほうがいいというのがセオリーです。
税務上の対策をとれなくなるおそれがあります。

最後に「附則」として、「設立に際して出資される財産の価額またはその最低額」「最初の事業年度」「発起人の氏名または名称及び住所」など会社設立時に必要なルールを定めることが一般的です。

そのとおりです。
ちなみに定款を書面で作成すると4万円の印紙を貼らなければなりません。

ところが司法書士に依頼すれば電子定款を作成して、電子署名してもらうことができます。
この場合、書面ではないので、印紙代4万円は不要となります。

株式会社の定款は公証人に認証してもらう必要があります。

公証人が定款の内容を確認して、定款に認証文を入れます。
その程度に思っておいてもらえればいいと思います。

認証してもらうためには公証人に手数料を払う必要があります。

そうなんです。
認証手数料は次のとおりです。

公証人の認証を受けた定款を会社設立の登記を申請するときに添付することになります。

定款は、会社で保管してください。
電子定款の場合は、データを保管しておきましょう。
それから、定款のワードデータも保管しておいてください。

会社設立後に、定款を変更することはよくあります。ワードデータも保管しておくと、変更するときに便利です。

定款は、原則として、株主総会の特別決議で変更することができます。

特別決議というのは、

ちなみに普通決議は、

そのとおりです。
定款変更は会社の組織・活動に関する根本規則を変えるということです。
株主の利害に重要な影響があるため、特別決議が必要です。

それから定款に定める規定のうち、いくつかは登記すべき事項なので、変更があったらその変更の登記をしなければなりません。
たとえば「会社名」や「会社の目的」、「本店の所在場所」、「公告方法」、「発行可能株式総数」や「株式の譲渡制限に関する規定」などです。
他に、「取締役会設置会社」「監査役設置会社」など、会社の機関に関する定めを置いた場合や変更、廃止した場合も登記が必要です。

お待ちしております。