【起業準備シリーズ】資本金はいくらにすればいいですか？

ぜひ出資させてください。

資本金をどうやって決めればいいか。

一般的には、資本金は、出資者から会社に払い込まれた事業の元手となる資金といわれています。
会社を設立するときの出資金は資本金に計上されます。
また、投資家から資金調達すると資本金は増えます。

使っていいですよ。

それ誤解している人がいるのですが、資本「金」だからといって、その分の現預金を持っておく必要はありません。
「資本金」は貸借対照表上の「空白地帯」です。

簿記がわかる人ならわかっていただけると思うのですが、たとえば、会社設立時に資本金を100万円にしたとします。

そのときの仕訳はこうなります。

次に、20万円のコンピューターを買ったとします。

いま、貸借対照表上の資本金はいくらですか？

現預金は？

このままキャッシュが入ってくることなく資金を使っていくと現預金はゼロになります。

その貸借対照表の「純資産の部」の「空白地帯（資本金）」の幅が大きいほど有利なのが会社に対する債権者なんですよ。

たとえば、会社にお金を貸している金融機関などですね。
貸借対照表の負債の部の数字に関わる人たちです。

債権者にとっては、資本金の額が大きいほど回収しやすいと考えられます。
上の図のA社とB社が今この瞬間に解散したとしたら、B社の方が債権者にとっては、やや安心ってことです。

だから、会社や株主にとっては、資本金の額が大きくても別にいいことはないんですよ。
資本金の額が大きくなると税額があがったりしてきますから。

法律上はいくらでもいいです。。
旧商法時代は資本金は最低1,000万円という規定がありましたが、会社法施行後は1円でもいいことになりました。
本当に資本金1円の会社は実在します。
本当に1円にしてどうすると思わなくないですが。

会社名義の銀行口座をつくるのが難しくなるといわれています。
それに、資本金1円の会社と取引したり、そこで働いたりしたいですか？

そうですね。
一般的には、設立から数か月は利益がなくても事業が継続できる金額が目安といわれています。

はい。
順番に見ていきましょう。

事業内容によっては、許認可が必要なものがあり、許認可の申請に必要な資本金が定められているものがあります。
たとえば、建設業・旅行業・人材紹介業・人材派遣業などです。

具体例は以下のようになります。

許認可が必要な事業は事業目的にも注意しましょう。

それから、許認可とは少しずれるかもしれませんが、外国の人が日本で「経営管理ビザ」を取得するために会社設立する場合は、資本金500万円必要とされています。

資本金の額によって税金も変わってきます。
金額の上限を決めないと話が長くなりすぎるので、資本金1,000万円ぐらいまでの話にしぼります。

資本金が1,000万円「未満」だと、会社設立後第2期までは免税事業者になれるというメリットが言われてきましたが…

2023（令和5）年10月1日からインボイス制度というのが始まるそうでして。
免税事業者でなくなるわけではないですが、免税事業者は「適格請求書」というのを発行できず、取引が制限される可能性があります。

なので、制度開始2年前の2021年10月までに法人化するとお得！みたいな意見をよく見かけました。

法人が存在するだけで必ずかかる税金が「均等割」です。
たとえ赤字でも。

均等割の額は地方自治体によって異なります。
さらに資本金の額によっても細かく分けられています。

たとえば、東京23区の場合、資本金1,000万円以下・従業員50人以下で7万円です。
1,000万円を超えると18万円です。

ちなみに香川県は、資本金1,000万円以下で2万円です。

創業時に金融機関から融資を受けたい場合などは、ある程度、自己資金である資本金の額は見られることになります。

はい。借りられる額に影響すると思いますので、会社設立前から金融機関に相談しておいたほうがいいでしょう。
さきほども出てきましたが、資本金は会社債権者のための制度です。

細かい話ですが、2022（令和4）年1月1日から株式会社の定款認証手数料が資本金の額によって異なる取扱いになりました。
それまでは、一律5万円でした。

そんなことで起業は促進されないだろという批判ですか？

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