ペアローンまたは連帯債務と不動産共有持分

毎年2~3月頃は所有権更正登記のご依頼をいただくことが多い季節です。

更正登記というのは、登記した内容がはじめから間違っていたので修正しますという手続きです。

理由としては、住宅ローン控除を受けるために確定申告をした際に税務署から贈与税の指摘を受けました、というものです。

これってどういうことなんでしょうか・・・?

目次

ペアローンと連帯債務

夫婦で住宅ローンを借りるケースがけっこうあります。

親子で借りるケースもないこともないですが、夫婦で借りるのケースが多いので、この記事では主に夫婦で住宅ローンを借りた場合を想定しています。

夫婦で住宅ローンを借りる場合、主にパターンは3つあり、ペアローン・連帯債務・連帯保証があげられるのですが、連帯保証については、連帯保証人は共有持分を持たず、本記事のテーマと関係が薄いため、とりあげません。

また、ペアローンと連帯債務のメリット・デメリットについての詳細な内容については、本記事のメインテーマとは異なりますので、簡単に解説する程度にとどめます。

ペアローン

ペアローンは夫婦がそれぞれ個別にローンを契約します。

ローン契約が2本になるということです。

夫が2,000万円のローン契約、妻が2,000万円のローン契約、夫婦で合計4,000万円借りるというイメージです。

連帯債務

夫婦連名で1本の住宅ローンを契約します。

連帯債務の場合、債権者である金融機関は、連帯債務者に対してどのように返済を求めてもかまいません。

夫にだけ全額返済を求めることも、妻にだけ全額返済を求めることも、両者に半額ずつ返済を求めることも認められます。

夫婦2人で4000万円を借りて、2人の責任で返済していくというイメージです。

共有と持分

共有

共有とは、1つのものを複数の人が所有することです。

持分

共有する所有権の割合のことを持分といいます。

不動産の共有持分は登記することになります。

登記手続き上、持分について制限はないので、どんな割合でも登記することはできるのですが、共有者の経済的な負担割合に応じて持分を決めるべきです。

ペアローンの場合

5,000万円の不動産を以下の割合で夫婦で買った場合。

夫が自己資金1,000万円、住宅ローン2,000万円借入の合計3,000万円を負担。

妻が自己資金0円、住宅ローン2,000万円借入で合計2,000万円を負担。

夫の持分が5分の3、妻の持分が5分の2となります。

夫10分の6、妻10分の4と登記してかまいませんし、夫5000分の3000,妻5000分の2000と登記してもかまいません。

負担割合さえ合っていれば約分していても、していなくても、なんでもいいです。

登記簿サンプル

ちなみに、ペアローンの場合、夫婦で2つのローン契約となりますので、抵当権も2つ設定されることになります。

連帯債務の場合

連帯債務の場合は難しいですが、夫婦の収入割合で決めることになると思います。

夫婦の収入がそれぞれ同じぐらいであれば、各自持分2分の1としておくのがいいでしょう。

登記簿サンプル

贈与とみなされるケース

夫A・妻BがX銀行から2,000万円ずつペアローン融資を受けて4,000万円の不動産を買ったとします。

本来、A持分2分の1、B持分2分の1と登記すべきところですが、Aの単独所有とする登記をしてしまいました。

この場合、税務署からはBからAに対して2,000万円の贈与があったとみなされますので、住宅ローンを借りた人のほとんどが住宅ローン控除を受けるために確定申告をすることになると思いますが、そのときに指摘を受けるということになります。

そこで、所有権の更正登記をしなければ・・・ということで、冒頭の話に戻るわけです。

また、贈与税の問題だけでなく、住宅ローン控除の控除額についても、正しい持分で登記していないと、不利になるはずですので、不動産を買ったときの持分は、適当に決めないようにしましょう。

まとめ

  • ペアローンでも連帯債務でも夫婦や親子で不動産を買った場合は、共有持分の登記をします。
  • 共有とは1つのものを複数人で所有することで、共有する所有権の割合のことを持分といいます。
  • 共有持分は、共有者の経済的な負担割合に応じて持分を決めるようにしましょう。

— どうぞお気軽にご相談ください。—

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この記事を書いた人

愛媛県四国中央市出身
早稲田大学政治経済学部卒業

平成28年司法書士試験合格
平成29年から約3年間、東京都内司法書士法人に勤務
不動産登記や会社・法人登記の分野で幅広く実務経験を積む

令和2年から香川県高松市にて開業
地元四国で超高齢社会の到来による社会的課題への取組みや地方経済の発展のために尽力している

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